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実験方法
1)試料の調製 Biochanin AとIpriflavoneは、0.4%DMSO滅菌水溶液に溶解し、培地中の最終濃度が0.1μM ~10.0μMになるように調整した。
オレガノとヒソップの 乾燥葉粉末(各3kg)を70%エタノールで抽出後、吸引ろ過した。ろ液は、減圧濃縮しエタノールを除いた後、ダイヤイオン(H+ 型)カラムに吸着させ、水で洗浄後、70%エタノールでポリフェノールを溶出した。溶出液を減圧濃縮し、溶媒を留去後、水に溶解し、凍結乾燥し、オレガノ粗ポリフェノール画分として161.18g、ヒソップ粗ポリフェノール画分として 139.1gを得た。各々の粗ポリフェノールを超純水に溶解後、フィルターろ過滅菌をおこない、培地中濃度が10〜200μg/mlになるように調整し添加した。
2)破骨細胞の培養方法とメディウムの調製
洗浄用メディウムにはα-MEM(CaCl2; 200.0, KCl; 400.0, MgSO4; 98.0, NaCl; 6800.0, NaHCO3; 2200.0, NaH2PO4・H2O; 140.0, D-Glucose; 1000.0, Lipoic acid; 0.2, Phenol Red; 10.0, g/L)に仔牛胎児血清を15%加えたものを用いた。培養用メディウムは、上記の洗浄用メディウムにマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、破骨細胞分化因子(RANKL)を加えたものを用いた。リン酸緩衝液(PBS)は、Ca、Mgを含まない組成(Glucose anhydr.; 1000, KCl; 400,NaCl; 6800, NaH2PO4・H2O; 140, Phenol Red Na salt; 10, Na2CO3; 2200, mg/L)のものを使用した。 破骨細胞の培養は、次の方法によって行った。凍結ラット破骨前駆細胞を使用時に、37℃の水浴中ですばやく解凍した。その細胞を15ml容量の遠心管に移し、洗浄用メディウム10mlを加えピペッティングでよく攪拌後、4℃、1000rpmで5分間遠心分離を行った。アスピレーターを接続したパスツールピペットで上澄液を吸引除去した。この操作を2回行った後、培養用メディウム(M-CSF, RANKL含有)を5ml加え、ピペッティングで攪拌し、細胞浮遊液を96 Well Plateに100μlずつ分注した。翌日、細胞がWellの底面に接着してからサンプルを1μl(メディウム量の0.1%)添加した。すべての操作はクリーンベンチ内で行った。なお、破骨細胞は、平敏夫氏(ホクドウ株式会社;現在、プライマリーセル株式会社)から供与して頂いたものを使用した。
3)TRAP染色
破骨前駆細胞を播種後、培養5日目ぐらいから数個の細胞が融合した破骨細胞が観察されるので、7日間培養した後、酒石酸抵抗性フォスフォターゼ染色(TRAP染色)を行い破骨細胞の細胞数を計数した。染色直前に発色基質(ナフトール AS-MSリン酸)と50mM酒石酸含有緩衝液を混和しておき、メディウムを除去後、PBS 100μl を加え洗浄した。PBSを除去した後、固定液50μlずつを加え、室温で5分間静置した。静置後、蒸留水250μlで3回洗浄し、前もって調製しておいた発色基質と50mM酒石酸含有緩衝液の混合液50μlずつを加えた。37℃で染色状態を観察しながら20分から60分加温した。良好な発色を確認した後、蒸留水で洗浄した。赤くTRAP染色された3核以上の多核細胞を破骨細胞として計数した。
4)統計解析
図及び表中の数値は平均値ア標準誤差で示した。各データの統計解析にはStatViewを使用した。有意差検定にはFisherのPLSDを用い、有意水準は1 %または5%で行った。
結果及び考察
イソフラボンの破骨細胞形成実験を始める前に、水に難溶性または脂溶性物質を溶解するのに使われる共溶媒のDMSOが破骨細胞形成に及ぼす影響を調べた。各濃度でDMSOをメディウムに添加し破骨細胞を培養した結果、TRAP染色によって赤く染色された破骨細胞数は、0.5%以上の添加で、無添加のControlに比較して濃度依存的に有意に減少した(0.5%添加:29%減、0.6%添加:41%減、 0.8% 添加:73%減、1%添加:100%減)。なお、0.4%および0.2%の添加濃度における細胞数は、Controlと有意差がなかった。 これらの結果から、DMSOのメディウムへの添加濃度が0.4%以下では破骨細胞形成に影響を及ぼさないことが確認された。そこで、実験試料を溶解するDMSOの最終濃度を0.4%とした。
2種類のイソフラボンを各濃度で添加し、培養後、DMSOの実験と同様にTRAP染色した破骨細胞数の計測によってこの細胞の形成量を調べた。
Biochanin Aを添加した時の形成された破骨細胞数は、図2に示したように無添加のControl(100%)に対して、0.1μM添加で26%減、1.0μM添加で38%減、10.0μM添加で71%減と有意に低い値を示した。Biochanin Aは、レッドクローバーに含まれ、Genistein のB環のOH基がメトキシル基になっているイソフラボンである。今回の実験結果から、イソフラボンのエストロゲン様活性は、そのB環に必ずしも水酸基が必要でなく、メトキシル基が結合していても破骨細胞の形成を抑制することが明らかとなった。
次に、Ipriflavone を添加した時の破骨細胞の形成に対する影響を調べ、その結果を図3に示した。
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